日本医療保育学会
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理事長からのご挨拶 GREETING

2023年、コロナ禍生活も4年目を迎え、新型コロナは感染法上、インフルエンザ等と同じ5類に引き下げられ、新たな局面に入っていきます。子どもたちへの感染が増え、医療者や保育者皆さまのチームとしてコロナに対峙し、いのちに向き合い、子どもたちの心と体を守り育んでくださっているさらなる働きに深く感謝いたします。

そのような中、各種研修会は参集型が増え、参加者同士の久しぶりの再会や、同じ空間での学びの意義や喜びをあらためて実感する日々ですが、本学会でも27回目を迎える学術集会を、参集型とオンラインを併用したハイブリッドで実施します。震災を経験し、復興にあたって人びとの絆を大切に育ててきた神戸にて開催されます。6月初旬に、是非お集まりください。

学術集会は、谷川弘治会頭のもと、昨年に引き続き、医療的ケアについての講演が企画され、在宅で育つ子どもたちの医療とケア、保育について学びます。また、シンポジウムでは医療保育専門士のこれまでとこれからを語り、学会のこれからを考える企画となっています。

現在、学会では医療保育専門士の資格のあり方について、保育士のおかれている状況を踏まえ、制度導入の理念に立ち返りながら、資格取得の要件から、取得方法、取得後の研修と更新に至るまでについて、包括的に見直しをしているところです。これまでは医療機関や療育施設等医療保育を行っている場で、常勤1年以上、非常勤は年間150日以上かつ2年以上の保育経験が取得資格要件でしたが、医療機関や療育施設のみならず、保育園や在宅での保育を含めて、そのニーズとともに医療保育の場が多様化し、その枠組みが拡大しております。また、働く場の多様化は保育士の医療保育経験の多様化をもたらし、資格取得のための認定研修のあり方や研修期間についても検討が必要になっています。さらに、保育士にとってレポートや論文作成は慣れない作業のため、丁寧な指導が求められてきましたが、近年の保育経験の多様化は、論文作成指導にもさらにきめ細かな指導が要求されてきています。そのため、指導にあたる医療保育専門士資格取得者たちの負担も大きくなっており、指導力向上のための取り組みや指導者数の拡大も求められています。このような事項を2023年度中に検討するために、新規の資格取得を1年間休止させていただいています。ご迷惑をおかけしておりますが、ご理解いただけますようお願いいたします。

コロナによる生活の変化は、私たちの学会活動にもその方法やあり方について再検討を求めております。定期的刊行物の紙面での郵送からメールマガジン配信等デジタル化への切り替え、事務処理における押印の廃止や電子印鑑への切り替えなど、私の所属する他の学会でもここ数年で大きく変更してきております。変えてはならないことと、変えるべき事項を見極めながら、この学会が発足した理念を基に着実に歩んでいきたいと思います。

私たちの活動が、医療を要する子どもたちと子どもたちや家族を支える保育士を支えるものであるように、心から願っています。

日本医療保育学会
理事長 吾田富士子